男の悩みを解消する、つぶやきコラム「ブツブツ」

その壱　尖圭（せんけい）コンジローマとフォアダイス

尖圭（せんけい）コンジローマとフォアダイスは、どちらも性器周辺にブツブツとして現れることがあり、見分けがつきにくい場合がありますが、原因や性質、治療法が大きく異なります。
今回はその見分け方や治療方法についてみていきましょう。
場合によっては自分の中の鬼を呼び覚ますことも必要かもしれません。

• 性器周辺にブツブツ
• その見分け方や治療方法
• 自分の中の鬼

その弐　フォアダイスは病気ではない

まずはフォアダイスについてです。 英語だと２つの言い方があって、単数形で Fordyce spot（フォーダイス・スポッツ）、あるいはFordyce granules（フォーダイス・グラニュールズ）となります。ダイスといってもさいころのことじゃありません。アメリカの皮膚科医ジョン・アディソン・フォーダイスの名前に由来しています。
これは病気ではありません。皮膚になぞのぶつぶつができる一種の生理現象です。正式には「異所性皮脂腺（いしょせいひしせん）」と呼ばれます。かならずしもおチンチンの先端にできるものではなく、他にはくちびるにできるケースもあります。これらは毛穴や毛根がない場所となります。皮脂腺というものは本来は毛根（毛穴）に付属しており、皮脂（皮膚の脂）を分泌して皮膚の潤いを保つ役割をしています。「異所性」というくらいですから、本来ではない場所に皮脂腺があった場合に皮脂腺が過剰に増殖したり、分泌された皮脂が皮膚の下に溜まって膨らんだりすることで、皮膚の表面から白っぽい粒や斑点として透けて見える状態になります。これがぶつぶつの正体、すなわちフォアダイスです。

• フォアダイス
• 異所性皮脂腺

その参　フォアダイスの発生メカニズム

フォアダイスの発生メカニズムは完全に解明されていませんが、思春期以降にホルモンの分泌が活発化して皮脂腺の活動を刺激するためと考えられています。なんだかニキビの発生要因とも似ています。ニキビのように膿をもって痛み出すということはないので良性のブツブツということもできます。また遺伝的要因の可能性も示唆されています。
病気ではないため痛くもかゆくもありません。人に感染させることはなく、ご自身の健康に悪影響を及ぼすこともありません。見た目が気持ち悪いだけです。心は優しいエレファント・マンというわけですが、見た目から精神的苦痛を感じるかもしれません。心の重荷はできるだけ早くおろしてしまいものです。

• 発生メカニズム
• 病気ではない
• 心は優しいエレファント・マン

その肆　尖圭（せんけい）コンジローマについて

次に尖圭（せんけい）コンジローマについてです。
これは呑気に構えているわけにはいきません。
尖圭（せんけい）コンジローマは性感染症です。ヒトパピローマウイルス（HPV）感染が原因です。性交渉によって感染します。 尖圭（せんけい）コンジローマがかかった状態ですが、いわゆるペニスの亀頭部分がカリフラワーのように、またはニワトリのとさかのように変形します。不規則な形や大きさで、表面がザラザラしていることが多く、増大したり数が増えることもあります。もっと恐いのはさらに他の人への感染を繰り返してしまうことです。
尖圭（せんけい）コンジローマを引き起こすHPVのタイプは6型、11型などで、これらは主にセックスやアナルセックス・オーラルセックスなどそれに類似する行為により皮膚や粘膜にある小さな傷から侵入し感染します。
エイズもそうですが、通常のセックスだけではなく口を使ったりお尻をつかったりする嗜好の性交で感染が広がってしまいます。ですから彼女から感染ったけど彼とだったらいいだろうというのは何の理由にもなりません。

• ヒトパピローマウイルス（HPV）感染
• 性感染症

その伍　包茎の方は発病率が高い

やっかいことに病気ではないフォアダイスと完全なる感染症の尖圭（せんけい）コンジローマは見た目がよく似ています。
異常を感じた際はすぐにでも専門医の診断してもらうことが肝要です。
当クリニックでは、患者様のプライバシーを尊重し、完全予約制・個室で診察を行っています。経験豊富な私が、お一人おひとりの状態を丁寧に診察し、最適な治療法をご提案いたします。
特に尖圭（せんけい）コンジローマ再発性が非常に高いのも特徴で、完治には数ヶ月から1年程度の治療が必要です。不衛生な状態が原因の一つとされており、包茎の方は発病率が高い傾向にあります。
早期治療に加え、包茎の方は包茎手術と併用することで、再発リスクを最小限に抑え、性病にかかりにくい環境を整えることができます。

• 専門医の診断が肝要
• 再発性が非常に高い

その陸　性交渉のパートナーにも注意

もし尖圭（せんけい）コンジローマと診断された場合は、治療することはもちろんのこと、性交渉のパートナーにも注意を喚起して感染経路の追及を行うことが必要です。そして悪い流れを断ち切ることが再発をふせぐことにつながります。場合によっては人間関係に罅を入れてしまうことにもなりかねませんが、ここは心を鬼にして対処してください。