コラム
EDの原因にはさまざまありますが、おおきくは神経的ストレスによる【心因性ED】と血管や神経の障害【器質性ED】とが主なものです。この両者の性質がまじりあった【混合性ED】の場合もあります。また服用する薬剤を起因とする【薬剤性ED】というケースも上げられます。
ここでは主要な要因とされる【心因性ED】と【器質性ED】について詳しくみていきましょう。
心因性EDの大きな要因の一つは、日常生活や性行為に直結するストレス、不安、プレッシャーによって引き起こされるものです。
仕事・生活のストレスや疲労を要因とするものだったり、パフォーマンス不安のケースもあります。つまり、「また失敗するのではないか」という焦りや恐怖を性行為の最中に意識しすぎることで悪循環に陥ることです。
特定のパートナーとの関係が問題となってEDとなる場合もあります。夫婦間の不和、義務感、妊活のプレッシャーなどを要因とするものです。また、特定の相手との時だけ勃起しなくなる、いわゆる「妻だけED」もこれに含まれます。
次に、 深層心因があります。これは、過去のトラウマ、コンプレックス、幼少期の経験や、本人も自覚していない潜在的な心理的要因です。
過去の性行為での失敗経験や性能力へのコンプレックスや自信のなさ、 幼少期の体験による性的トラウマなどがこれに当たります。
さらに精神疾患があります。うつ病、不安神経症など精神疾患そのものが勃起機能に影響を与えることがあります。
器質性EDとは、身体的な問題が原因で起こるED(勃起不全)です。
生活習慣病による血管障害や神経障害、男性ホルモンの低下、手術や外傷などが原因で発症します。
器質性EDの発症率は、30代ごろから年を重ねるごとに徐々に増えていく傾向があります。
器質性EDには大きく分けて3つの原因があります。
1.血管の障害
器質性EDの主な原因の一つは、加齢や生活習慣病による血管の障害です。
陰茎海綿体の動脈硬化によって引き起こされると言われています。
陰茎海綿体は、勃起時に陰部の血流を調節する役割をもつ組織です。
加齢、肥満、生活習慣病、等により動脈硬化が進行することで血流が悪くなると勃起に必要な血液が十分に届かなくなるため、EDの症状が悪化します。
血管の障害には、生活習慣との関係も含まれます。
「喫煙」「睡眠不足」「運動不足」「食生活の乱れ」といった生活習慣の乱れは、器質性EDの発症や進行の原因となります。
〇喫煙
タバコを吸う人は、吸わない人よりもEDになりやすいと言われています。
海外の研究では、喫煙量が多く、喫煙期間が長いほどEDになるリスクが高いと報告もあります。
喫煙が器質性EDを悪化させる理由として、血管にダメージを与える、陰茎への血流を悪くする、男性ホルモンの分泌が減少する、などが上げられています。
このように、喫煙はEDを進行させる可能性があります。EDの改善にはできる限りの禁煙を心がけが必要です。
〇睡眠不足
睡眠不足によるホルモンバランスの乱れは、器質性EDの原因となるテストステロンの低下を引き起こす可能性があります。
EDの改善に直接的な効果は証明されていませんが、睡眠不足の解消はホルモンバランスを整え、テストステロンの増加が期待できます。
睡眠不足を解消するために、睡眠時間の確保と質の高い睡眠を心がけましょう。
〇運動不足
運動不足は、肥満や生活習慣病を引き起こし、器質性EDの発症や悪化の原因となります。
適度な運動による肥満や運動不足の解消は器質性EDの改善、予防につながる可能性が高く、非薬物療法として推奨されています。
〇食生活の乱れ
偏った食生活や暴飲暴食は、肥満や生活習慣病を引き起こし、器質性EDの発症や悪化につながります。ダイエットによる過度な食事の制限も、偏った栄養バランスになる可能性があるため、血流やホルモンバランスの乱れの原因となります。
基本的には食べすぎを避け、炭水化物、タンパク質、ビタミンなどを3食バランスよく取るように心がけましょう。
2.神経の障害
勃起は、性的な刺激が脳から神経を通じて陰茎に伝わると起こります。
そのため、何らかの原因によって神経が傷つくと勃起に関わる神経伝達が妨げられ、EDになる可能性があります。
以下の持病をお持ちの方に発症する傾向が高くなっています。
・糖尿病
・高血圧
・脳卒中
・てんかん
・パーキンソン病
ほかにも、陰茎部の手術による外傷により神経を損傷し、EDになる人もいます。
持病を持っている場合はED治療を受ける前に病気について医師に伝えましょう。
3.男性ホルモンの低下
テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの低下は、器質性EDの原因として考えられます。
テストステロンは、骨や筋肉の発達や勃起力、性欲を維持するなど、男性にとって重要な働きをする男性ホルモンです。
テストステロンは、加齢、喫煙、飲酒、ストレス、運動不足等で働きが低下するとされています。
テストステロンが低下すると性欲が減少し、性行為や自慰行為の回数も減少します。
テストステロンは変換してAGAの原因物質になることもあるホルモンです。
勃起する機会が減少するため、EDをさらに進行させることにつながります。
ED(イーディー)とは、英語の「Erectile Dysfunction」の略称で、日本語では「勃起不全」や「勃起障害」と訳されているのです。
EDとは、「満足な性交を行うのに十分な勃起を得られない、または維持できない状態」を指します。完全な不能状態だけでなく、「硬さが足りない」「途中で萎えてしまう(中折れ)」といった症状もEDに含まれます。 日本では成人男性の4人に1人がEDに悩んでいると言われ、潜在的な患者数は1,000万人を超えるというデータもあります。
勃起は、性的刺激を受けると脳からの信号が神経を伝わり、陰茎の血管が拡張して大量の血液が流れ込むことで起こります。この時、血液が流れ込むスピードが、出ていくスピードを上回ることで勃起が維持されます。 EDは、この「神経」または「血管」のいずれか(あるいは両方)に不具合が生じることで発生します。
川端康成の小説「眠れる美女」の主人公江口老人は67歳です。
友人の紹介によってある宿を訪れて、睡眠薬で眠らされた全裸の少女と一晩を過ごすという一種の風俗を体験するのです。
江口は自分が男性の機能をまだ失っていないことを自負しており一度だけ勃起したペニスを少女に挿入することを試みるのです。だが、それは失敗に終わります。不可能と知るや老人のペニスはすぐに萎えてしまいます。若い者と比べて熱がすぐに冷めてしまうことを老人は当たり前と感じるわけですが、これは立派なEDの症状といっていいものです。
EDは当然ながら男性に限っての悩み事であり、年齢とともに多くみられてくる症状でもあります。江口老人が少女の前にEDの症状を呈するのも半ばやむないものがあるかもしれません。40歳以上の男性に多く見られ50歳になるまでに男性の6割がEDを経験するといわれておりますが、20代、30代の若い世代でも発症する可能性はあります。
そのため、EDは年齢を問わず男性にとって身近に起こりうるものなのです。
最近の研究では、EDは全身の血管の健康状態を示すサインであると考えられています。
陰茎の血管は非常に細いため、動脈硬化の影響を真っ先に受けやすいのです。EDの症状が現れることは、将来的な心筋梗塞や脳卒中のリスクを知らせる「警告サイン」である可能性もあります。
自分がEDかどうか、その程度はどれほどなのかを目安を自己診断できるIIEF-5という便利な診断法があります。
IIEF-5(International Index of Erectile Function)は、日本語で「国際勃起機能スコア」と呼ばれる、ED(勃起不全)の程度を客観的に判定するための問診票のことです。
世界中で最も広く使われている診断ツールの1つで、5つの質問に対する回答を点数化し、その合計点(25点満点)で状態を評価するものです。簡単にできるので気になったら自己判定してみるといいでしょう。
5つの質問内容について過去6カ月間の状態を5項目5段階で評価してください。
勃起を維持する自信がどの程度ありましたか?
性的刺激によって勃起した時にどの程度の割合で挿入可能な 硬さになりましたか?
挿入後、どの程度の割合で勃起を 維持することができましたか?
性交終了まで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか?
性交をした際満足度の割合は?
合計点数判定(重症度)
22〜25点正常(EDの疑いなし)
17〜21点軽症のED
12〜16点軽症〜中等症のED
8〜11点中等症のED
5〜7点重症のED
ポイントは合計が21点以下の場合、医学的にEDの疑いがあるという判断となります。
このスコアは数値化することで客観的な指標となるため、医師が状況を正確に把握しやすいというメリットがあります。医師に相談する前段階のセルフチェックに最適であり、自分で現状を把握するための目安として非常に有効です。
浜松中央クリニック 院長
佐藤 徳哉
医師歴33年/年間施術数1,500件以上
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